日常パートと戦闘パートが分かれてる作品。
と言うのは星の数ほどありますよね。
例えばドラクエ7だって広義ではそれだ。
平穏である日常の世界をあえて克明に描写することで、
戦闘と言う非日常な世界に迷い込む恐怖を上手く語ることができる。
平和な日常生活をきちんと書いているからこそ、
赤い夜に迷い込んだ時の恐怖がより倍増するわけだ。
日常パートと戦闘パートを分ける理由は、本来はそれです。
そして。上の描写をすると、副産物が生まれます。
戦闘パートに対する恐怖がより増すと同時に、
日常パートには安心感を抱くようになる。
日常の時は恐怖に怯えることはない。
と、プレイヤーはいつしかそう考えるようになります。
その日常を、いきなり壊すと。
プレイヤーには非常に衝撃が走るわけですねw
今ではすっかり当たり前の描写になってしまいましたけど、
RPGで"安全地帯である街"が"破壊される"と言うイベントも
本来は上のような衝撃を狙ってのことだと思います。
今まで安全地帯だった街が魔王に壊されると、
やはりプレイヤーの気持ちも盛り上がるでしょう。
長々と脱線してしまいましたが。
日常パートと戦闘パートを分けてる作品では、
終盤で日常を壊すのはある意味お約束になってます。
だから11eyesも当然それをやる可能性はあったんだけど。
本気でやってくれるとは思わなかったw
くだらないとは言えあれだけ長々と続けた日常を
一気に壊しにかかるパワーがあるとは。
・日常(11-2)
学校を休んで、草壁先輩の血を吸う主人公。
その時、学校の方から爆音が聞こえました。
赤い夜では、幾度となく聞く爆発音。
しかし、今は"日常"です。
主人公と草壁先輩はあわてて学園に戻ります。
学園の前は騒然としていました。
雪子が二刀流ナイフで、敵と戦っている。
それは主人公たちにはありふれた光景かもしれません。
しかし当然学園の生徒たちには、有り得ない光景です。
主人公が周囲を見渡すと、賢久の姿を発見しました。
賢久は、血まみれの女性を抱いていました。
白衣を着たその女性は…彩子先生。
と言っても私日常描写は省略してたから、
この日記内では一度も彩子先生の名前出してないんだよなw
彩子先生はこの学園の養護教諭で、
賢久とは浅からぬ関係にある女性でした。
日常パートを読んできた人にとっては衝撃的な死だったと思います。
いや、彩子先生が事切れるその瞬間まで、
どうせ助かると私自身も思ってたので…。
彩子先生の死によりキレた賢久は、
雪子と戦っている着物の女性に攻撃を仕掛けます。
着物の女性。姿こそ人間ではありますが、
その動きはまるで黒騎士と同じ。
黒騎士がこちら側の世界に来た。
そう考える以外に、目の前の現象を
説明できる言葉は見つかりませんでした。
賢久は周囲のことを考えず、
指先から五つの火炎球を打ち出します。
フィンガーフレアボムズきたw
とか突っ込めないくらい緊迫した状況です。
着物の女性は軽々とそれを避け。
行き場を失った火炎球のひとつは学園の生徒に当たり。
またひとつは学校前の住宅を焼き尽くします。
複数の人々が瞬時に、賢久の火炎によって焼き尽くされました。
・日常(11-3)
着物の女性はその場から逃げ去りました。
しかし戦闘が終わっても賢久は
ただただ火炎球を放ち暴れまわるだけ。
雪子他仲間の声にも耳を貸しません。
完全に、精神が壊れてしまっている。
賢久はその狂った状態のまま、
学園外に走り出し姿を消してしまいます。
その後を追う主人公たち。
賢久を探すこと数時間。
夜になり、街の一角で火の手が上がりました。
火。賢久以外に考えられない。
主人公たちはその場に急いで向かいます。
通行規制がかかっていて、その現場には
かなり遠回りしないと迎えない。
身軽な雪子は住宅の屋根伝いに現場に向かい。
主人公たちは迂回して賢久の元を目指すことにします。
手当たり次第に周囲を破壊している、
今の狂った賢久であっても。
ゆかの栄光の手
(技名)で能力を無効化してしまえば、
動きを止めて落ち着かせることができるのではないか。
そんな希望を持ち、主人公は賢久の元に向かいます。
・草壁操
しかしその道中。
再び着物の女性=黒騎士が主人公たちを襲います。
草壁操。それが彼女の名前でした。
草壁操。その名を聞き、草壁先輩は震えます。
草壁流最強と呼ばれた人物。
それが草壁操。
しかし草壁操は70年も前の人物です。
目の前の人物は明らかに20代の女性でしかない。
草壁操の名を騙る偽者め。
草壁先輩はそう言いながらも、震えていました。
彼女の剣技。それは確かに草壁流のものであり、
そして草壁先輩よりも彼女の方が明らかに
草壁流剣術に長けていたからです。
手持ちの二刀を粉砕され、その場に崩れ落ちる草壁先輩。
操は息も切らさず、草壁先輩の攻撃を全て無効化しました。
続いて主人公が劫の眼を使い、切りかかります。
単なる予知ではない劫の眼の真の力を使い
操にかすり傷を負わせますが、そこまで。
草壁先輩が倒れ主人公が倒れ。
絶体絶命と思われた時に、雪子が助けに来ます。
主人公から受けた傷の影響がある状態で、戦える相手ではない。
と草壁操は判断し、その場から去りました。
どうにか無事に草壁操の攻撃を耐え切った主人公たち。
草壁先輩は自身の刀を折られ呆然としていたり、
雪子は自身の刀傷がいつまでも消えなかったり、
(草壁操の刀傷は雪子の再生能力を無視するらしい)被害は大きかったものの、どうにか全員生き延びた。
全員。その時主人公は気づきます。
自分たちが賢久を追っている最中だったこと。
雪子は賢久を止める為に、先行していたはずだったこと。
賢久はどうしたんだ?
その問いに、雪子は口を閉ざします。
そして少しの間をおいて。答えました。
賢久先輩は、私が殺しました。
と。
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